© 2019 by Rockwell

旅は冒険だったはずだ。何が起きるかわからない。そんな場所に、恐怖心と好奇心を天秤にかけて向かっていたはずだ。大航海時代の男たちの話を聞いた時、心が震えた。コロンブスはその先に何があるかもわからないまま、大海原に繰り出しアメリカ大陸に到達した。マゼランは船長を失いながらも、歴史上初めて世界一周を達成した。その偉業は、当時の人々にとって、どれほどの衝撃と感動と興奮を与えたのだろうか。
もちろん、アメリカ大陸に到達したということや、世界一周をしたことは歴史的偉業だ。だけど、私はその事実に心を震わせたわけではない。私は「今まで誰も挑戦をしなかったことに、命をかけてチャレンジをした」男たちにロマンを感じ心震わされた。平穏に生きていくこともきっとできただろう。わざわざ海に出る必要もなかっただろう。それにも関わらず、彼らは命を投げ打ってまで冒険に出た。
 
便利な時代にはなった。国内海外問わず、旅に出ることは、”当たり前“になりつつある。インターネットのおかげで旅先の情報は、透明化されるようになった。自宅やカフェにいながら、旅先のことを知った気になれる。行くべきレストランには、星やレビューがされている。写真を撮るべき場所には、たくさんのいいねがついている。寝ているだけで、有名観光地まで安全に連れて行ってもらうこともできる。そんな旅ができるようになった。冒険から変わり果てた旅が、当たり前になってきた。素晴らしい時代のはずだ。便利で居心地の良い時代のはずだ。それでも、私の頭に違和感が残る。なぜなら、時代がどれだけ発展しても、大航海時代の男たちのロマンが、今でも私を突き刺しているからだ。
きっと、旅先に行くという行為自体には意味がないのだ。30カ国以上の国を渡り歩いて得た結論がある。それは、「自分の足で稼いだ情報にこそ価値がある」ということ。そして、そこで得られた「偶然の出会い」が、人生における財産になりうるということだ。安全に想定内に終える旅も悪くはない。しかし、自分の嗅覚を頼りに足で稼いでいく。そんな非効率な旅を、時代に逆行して求めてしまっているのだ、私は。楽な旅ではない。不安がともなう旅だ。それでも、自分の目で見た情報は、咀嚼されて、自分の血肉となってきた。旅先でたまたま出会った人が、予期せぬ場所へ連れて行ってくれ、旅の素晴らしさを教えてくれた。そんな旅に出会ってしまった。時代も規模も違うかもしれないが、大航海時代の冒険に自分を重ねられるような気がした。まだ見ぬ場所へ自分の足で答えを探しにいく旅に、私は冒険者としてのロマンを感じている。
私はただのジーンズを作りたいわけではない。旅人たちの冒険心を掻き立て、出会いのきっかけを作る衣服を届けたいのだ。JOURNEY ARMOURは、歩く理由を与えてくれるジーンズだ。快適だから、歩きたくなるわけではない。そのチャレンジともいえる硬さがあるから、歩きたくなるのだ。製品としても職人の技術を結集させ、徹底的にこだわり抜いたジーンズだと自負している。
JOURNEY ARMOURを穿いて、一歩踏み出してほしい。自分の足で世界を見に行ってほしい。私たちは、そんな冒険者たちの挑戦の後押しできるようなブランドでありたい。