AIが仕事を奪うとしても、私たちの個性は奪うことができない

瀬戸内海が見えるカフェから夕日を眺めたり、美観地区の風光明媚な街並みを堪能することはせずに、私たちは岡山の森の中にいた。地元の人しか知らない森ではない。地元の人でも知らない森だ。


Rockwellのメンバーが集まった時は、決して旅行と呼べる目的地には行かない。メインストリームな観光地には行かず、多くの人が知らないような場所を開拓する。そしてこれがJOURNEY ARMOURの旅だと仲間内でニヤニヤする。そんな旅を私たちはしがちである。

製品には個性が宿る。生産者側から製品を見ると、それを強く感じる。どんな製品も唯一無二であり、作り手の想いやその人生が反映されている。それは同じ食材を手にしていても、出来上がった料理の味が作り手によって異なることと似ている。


だから、改めてメンバーで集まると、このメンバーだからこそ作れるものや、このメンバーでは作れないもの、このメンバーでしか作れないものがあるのだと気付かされる。どれだけ技術が発展して、インターネットが当たり前になっても、結局は作り手の個性こそが製品に味を出していくのだと思う。


参考:総合商社を辞めてデニム屋を始めた男の話


AIが仕事を奪う時代が来たとしても、私たちの記憶や経験を奪うことはできない。きっと合理的に考えられた、"人を歩かせる”ジーンズは、機能性抜群で、どれだけ歩いても足への負担がかからないジーンズになるはずだ。極厚23オンスの鎧のような頑丈なジーンズは、”歩きやすい”ジーンズとは言えないからだ。

だが、旅先での苦労した記憶がじわじわと忘れられない経験になってきたり、歩けば歩くほどジーンズが色落ちしてその人の人生を映し出していく魅力が、AIにはわかるのだろうか。そのような感情は、論理に打ち負かされるものなのか。人間の想像を凌駕する技術がこれから生まれるのかもしれないが、どうしても人間にしかわからないものがあるのではないかと私は思う。そして、このような非効率だがストーリーを伴う製品こそ、人間が作るべきではないかとも私は思う。

これまでの旅をしてきた中での、苦しく忘れられない出来事、自分を変えてくれたきっかけは、その人にとっての財産だ。これが積み上がってできているものが、その人にとっての個性である。だから、髪の色が奇抜であることや、ファッションが独特であることが、個性だと私は思わない。個人の多様性は当たり前であり、違いを尊重しようと標榜されてきたミレニアル世代としては、”個性的”に見える外見にそれほど意味はなく、自分自身の内面に構築される個性こそ大事にしたいと思えるのだ。作り手としても同じで、見えやすい個性を追い求めるのではなく、自分たちの内側を貫通している個性を製品に反映させたい。


だからこそ、このメンバーでしか作れないものがあると、メンバーが揃った時に思った。このメンバーが20数年の人生で感じてきたことや、考えてきたことは、他の誰とも同じではない。そういった個性をぶつからせて、一つの製品をを妥協なく作り上げていく。それこそが私たちが追求していくものづくりだ。

“人を歩かせる”ジーンズ JOURNEY ARMOURは、過酷な道をあえて選ぶ人や、チャレンジを楽しむ人にこそ履いてほしい。すごく人間じみた私たちの製品は、あなたの個性を育むことの一助になるかもしれない。


Text by ジュンヤスイ(@jjyasui